1.はじめに
はじめに、この世界や生命に対する視点や感じ方
その一部である身体に対するイメージを共有していきます。
抽象的な概念も多く含まれますが
抽象度が高い世界(潜在意識の領域)で世界を観じている“わたし”の視点
でもあるので、細かく分析して捉えようとせず
「そういう捉え方もあるのかもしれない」という受け取り方で大丈夫です。
テーマについて対話をしながら感覚的な理解を深めていきましょう。
〇“誰かが誰かを治す”ということは起こっていない
私たちは日々、誰かの身体に触れながら「整える」「改善する」「治す」という言葉を使っています。
しかし本当に、私たちは誰かを治しているのでしょうか?
一見すると、対象者に生じている異常をセラピストが治したように見えても、本質的には、「その人自身の生命のシステム(自己調整システム)が働いていた結果に過ぎない」と言える。
様々な身体の症状や姿勢・運動の崩れのほとんどは、脳の中にセットされている自己認識(身体地図・ボディマップ)が実際の身体状態との間でギャップを起こしていることに由来する。
セラピストが適切に触れることで、触れられた側に必要な感覚情報が生まれ、その情報が自己認識(身体地図・ボディマップ)をアップデートすることで、脳内の自己認識と実際の身体状況のギャップをなくし本来の自己調整機能を発揮する流れへと導いていく。
目の前で起こる相手の変化や、手の中で感じる筋肉や皮膚の変化も全て、自分という環境が介在したことで生じた相手の中の自己調整機能の結果であり、決して物理的な刺激によって調整し得るものではないことを常に念頭に置く必要がある。
セラピストは相手にとっての一つの環境であり、“セラピストは良い環境である”だけでよい。
命は自らを調え続けている | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
セッションを言葉で表現すると | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
〇生命は常に最適な状態に在り(還り)続けている
病院で働きながらリハビリを日々提供していると度々奇妙な現象に出会うことがありました。
それは数か月の寝たきり期間を経て体を起こせなかった方が、1回のリハビリで歩行器で少し歩けるようになるといった、こちらの想定や技術レベルを超える反応をみせることでした。
そのあまりの変化の大きさから理解したことは、その人が持つ本来の力が表に出てきたとき驚くような回復を見せるし、それは自分の力によるものではないということでした。
その体験に打たれながら
「人間の身体は何の妨げもなければ最適な状態に在り(還り)続けている(自然治癒力・自己治癒力)」
という理解が自然と起こりました。
妨げとは、身体的ストレス、精神的ストレス、病気や自分自身に対する思い込みなど含め、周囲からによる「この状態になったら動けるわけがない」「この病気になったらずっと治らない」といった観念も含まれるように感じました。
“ああ人って自然と調っていく存在なのだなあ”
と自分が治してあげるという観念を手放し、ある種の楽観性の中向き合うほうが、その人本来の力を表に引き出すことに繋がるようです。
命は自らを調え続けている | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
〇全ては豊かになり続けている
身体は常に最適な状態に還り続ける
そんな理解に触れた私は一人の人物に出会いました。
自然を活かした農法を伝える橋口創也さん。
彼の口から紡がれる土や植物についての話は、初めて聞くけどもう知っていたような不思議な感覚へ誘ってくれます。
彼からの問「この世界から人が消えたとして世界はどうなっていくでしょう?」
荒れて砂漠化していくのかとも考えましたがその答えは
「全ての土地は放置されると森に還っていく(植生の遷移)」
「小さな植物から始まり そこに住む生き物が集まり やがて大きな森へ成長していく」
「“自然”の流れは豊かな方向へと向かっていく(自然の理)」
ああ身体と同じだな全ては自然と調い豊かになり続けるのだな
という理解が彼との交流によって起こったのでした。

〇動的平衡について
福岡真一さんが紡ぐ言葉が好きで抽象的な概念を身体性に落とし込んでいて、かつ詩的な表現のテンポが心地よい。セラピストの必修科目に著書の動的平衡を推したいくらい。
私は理学療法士になる学びの中で西洋医学的なアプローチで人体を学んだので、各部位の名前・形状・機能といったミクロな視点にフォーカスが向く傾向にあり、そういったところに動的平衡のようなマクロ側の視点が加わることで、より全体性が捉えやすくなりました。
その一説を引用するのでゆっくり感じながら読んでみてください。
(動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか より引用)
そして、ここにはもう一つの重要な啓示がある。それは可変的でサスティナブルと特徴とする生命というシステムは、その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存しているのではなく、その流れがもたらす「効果」であるということだ。生命現象とは構造ではなく「効果」なのである。
サスティナブルであることを考えるとき、これは多くのことを示唆してくれる。サスティナブルなものは常に動いている。その動きは「流れ」、もしくは環境との大循環の輪の中にある。サスティナブルは流れながらも、環境との間に一定の平衡状態を保っている。一輪車に乗ってバランスを保つときのように、むしろ小刻みに動いているからこそ、平衡を維持できるのだ。サスティナブルは、動きながら常に分解と再生を繰り返し、自分を作り替えている。それゆえに環境の変化に適応でき、また自分の傷を癒すことができる。
生命の循環 | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
〇生命のシステムと微生物
腸内には細菌がおよそ1000種類、100~1000兆個も生息し、重さにすると1~1.5㎏程度と言われている。
腸内細菌が食べ物の消化の一端を担うことで、腸から必要な栄養を吸収することができる。

腸内細菌なしでは栄養を摂取することができなくなる人間。
わたし達が「わたし自身」と認識している感覚の中に腸内細菌を含むのか?含まないのか?
腸内細菌がいてこのわたしが成り立っているように、人としてのわたしもまた大いなるわたしを成り立たせているのかもしれません。
〇全てはただ完全に調和している
私たちは一人一人が常に最適な状態に調い続けており、この世界もまたそのようにふるまい続けているように私には感じられるのです。
そんなことがあるのかもしれない
そんな風に頭の片隅に置いてもらえると日々の暮らしや臨床において、これまでと違う視点が生まれるかもしれません。
伝えていきたいこと | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
人間本来の感覚に還る | ケセラボ【公式ホームページ】 (keselabo.com)
2.現代型社会が与える人々の自律神経への影響
このような生命本来のシステムから見たとき、今の社会環境はどのように映るのでしょうか。
前提として現代社会は過度なストレスに晒され続けている特異な社会だと私はみています。
今の社会に暮らす人々は様々な心身の不調や悩みを持っていますが、現代社会の過度な興奮性が一人一人に与える影響が見えてくると、なぜ同じような不調に悩まされるのか整理されてきます。
一つ一つの症状にフォーカスする前に、社会が個に与える影響を知ることで症状同士の繋がりが見えてきたり、個々の問題を潰すのでなく全体の流れを本来の方向に向けていくような視点を育てていくための基本をこの章ではお伝えしていきます。
〇ヒト(生命)本来の自律神経のリズムとは
活動性を司る交感神経 と 休息を司る副交感神経
一方が優位になるともう一方が抑制されるという
シーソーのような関係性でバランスをとっている。

・昼間は交感神経が優位になり副交感神経は抑制
人間が活動をする時間、脳や大きい筋肉の血流が増え、思考や身体の緊張を使って活動する。
活動とは “遊び” “創造” のこと。その時の感覚のままに時間を忘れ何かに没頭するあの状態。
この間、体内のエネルギーは消費される
・夜間は副交感神経が優位になり交感神経は抑制される
人間が休息をする時間
消化器や身体の末梢の血流が増え、栄養を身体のすみずみへ届ける。
この間、体内のエネルギーを産生され一つ一つの細胞が満たされ増殖する。
副交感神経のモードにより生み出し行き渡らせたエネルギーを
交感神経のモードにより活動のために消費する。
この繰り返しの中で生命活動を継続していく。
〇現代社会における自律神経はサバイバルモード
現代社会においては過度に交感神経が働き
その一方で副交感神経は抑制されたままの状況にある。
この時のモードは“サバイバルモード”
勝つか負けるか 生きるか死ぬか 闘争か逃走か(fight-or-flight)
相手が 敵か味方か 損か得か 強いのか弱いのか をみる状態
常に頭を働かせて思考を巡らせ、意識は周囲の状況に対して向いている。
いつでも闘えるように力を発揮する筋肉は緊張し
その一方で身体の末梢や消化器官への血流(栄養)は減少する。
心拍数は増え、呼吸は浅く速く、手足の表面には滑らないよう汗をかく。
また意識のフォーカスは自分の外側の外部環境へ向き
自分自身の感覚や思っていることなど内部環境には意識が向きづらくなる。
これは外の世界で起こるリスクにいち早く対応するためのものであり
「あの茂みから猛獣がでてくるかも?リスクを避け遠回りして歩こう」
といった対応をスムーズに遂行することができる。
というように、本来このモードは、生命を守るために備わった極めて健全な反応であるのだが、常にこのモードであり続けることがバランスの不調和を招きやすくしている。

交感神経:副交感神経
昼:夜 太陽:月 男性性:女性性 能動性:受容性
動:静 活動:休息 思考:感覚 外への意識:内への意識 エネルギー消費:エネルギー産生
〇社会システムが作りだす交感神経型社会
私たちは「おぎゃあ」と産声をあげこの世界に生まれ落ち
最初に両親との関りからこの世界のことを知っていくことになる。
「これをすると喜ぶんだな」「これをすると怒るんだな」といった
相手の反応をみることでこの世界のルールや価値観を少しずつ構築していく。
やがて大きくなると学校に通うようになり、決まった時間に登校し、決められた時間に則って動き、先生の言うことに従い、決められた教育課程を学ぶことを求められる。
それは社会に出ても続き、学校が会社に置き換わり、先生が上司に置き換わるだけで、その環境が提示する規則や価値観を守りながら生きることを続けていく。
このように知らず知らずのうちに、外の環境に対して自分の行動や発言を決定することが当たり前となり、それが社会でより良く生きることともされているため、無意識のうちにそれが常態化してしまうことが今の社会で起こっている。
この外側に意識を向け続ける状態が過度に交感神経が優位な状態へと繋がっている。
〇資本主義ビジネスや情報化社会が作りだす交感神経型社会
“物を売るには感情を動かす必要がある”とはよく言われているが、つまりそれはいかに相手を興奮させるかということにつきる。
色合い、質感、手触り、デザイン、言葉、音、光、リズムなど様々な要素を駆使して、興奮を誘発し自らの商品へと人々の意識を向けさせようとする。
自分がそれをどう感じているのか?という自らへ向ける意識から遠ざかっている人々は、反射的にその商品が自分の不足感や不安を補うと錯覚し購入してしまう。
そして、そのように購入されたものはこの社会に溢れ、それを互いに目にしあいさらに興奮の度合いを高めていき今に行きついている。
またメディアやSNSなど普段目にする情報も基本的には、自分に目を向けるためのあらゆる工夫が施されており、ただ情報を目にするだけでも興奮性が高まるようになっている。
そういう視点からみると今は興奮型社会の極であり、この瞬間もなおその極みは更新され続けているといえる。
〇ヒト本来のバランスへ還るには
ここまでに示した通り私たちは
「ただボーっと生きていると知らないうちに興奮が高まっていく社会に生きている」
という言葉にすると一見矛盾しているような奇妙な状態に置かれている。
それは巨大な船上に生まれ落ち、そこに暮らす人々は船の右側に片寄っているため船は大きく右に傾き今にも沈みそうなのだけど、生まれてからずっとその世界しか知らないが故に、それを当たり前のものとして受け入れている状況に例えることができる。
この状況に気づいた人に出来ることはただ船の左側に立つこと。
自らに意識的になり、感じるままに行動し言葉を放つことがそれにあたります。
自分の中心を捉え自らの想いに気づくには自らの身体感覚を感じることが鍵になります。
交感神経優位モードでは思考が優位になり感覚は抑制されます。
これを反転させるには意識的に自らを感じる習慣を作り思考を抑制し、それは同時に副交感神経の質を表に引き出し、普段の過度な交感神経の質を抑制することに繋がります。
意識的に自らを感じる
という行為と習慣化がをヒト本来のシステムへと還る道なのだと考えています。
〇交感神経の過剰な活動による身体への影響
インナーマッスルを鍛えて活性化しよう!
という考えは一般的にも広く知られるようになりました。
インナーマッスル:
身体の深部にある・ゆっくり持続的・細やかなバランス活動を担う・動きに先行して働き安定性に大きく関与
アウターマッスル:
身体の表層にある。すばやく瞬間的・大きな力を発揮できる・動き自体は粗大で細やかなコントロールは困難
でも、そもそも私たちは、インナーマッスルを鍛えてこなかったから、働きが弱くなっているのでしょうか?
交感神経が過剰に興奮している現代社会においては、より強い力を発揮するアウターマッスルが常に緊張状態になっています。
これによりインナーマッスルが適切に働くことが難しくなり、バランスの崩れた状態が当たり前になっていると言えます。
運動性を高めていくには、その基礎となる安定性が必要となります。
この安定性に関与する機能が、コア・インナーマッスル(インナーユニット)と呼ばれているものであり、脳から運動プログラムが下りてくると、これらが働き体幹や関節を安定させます。
身体の中心に安定性が生まれたら、そこからより強い筋力をもつアウターマッスルが働き運動を遂行していくのです。
交感神経が過剰な状態だと、アウターマッスルの緊張で身体を安定させ、さらにアウターマッスルを使って運動する状態となる。
この状態を変えないまま施術をしたり、筋活動を促しても、これまでの偏りをかえって助長することにもなりかねない。
自律神経のリズムを調え、コアやインナーマッスルが使えるようにしながら、負荷をかけた運動へと順を追って展開していく。
〇重力に対する姿勢戦略
この地球では常に重力がかかっている状態であり、それに対して脳がどのような戦略をとるかが、その人の動きや姿勢に影響する。
大きく分けると二つの戦略があると考えられる。
1.重力を耐え続ける戦略
強い組織である靭帯や太い腱組織に体重を預け重力に耐える姿勢
腰椎の過度な前弯⇒胸椎の過度な後弯⇒頭部の過度な伸展
・鼠径靭帯・腸脛靭帯・下腿後面の筋腱組織に体重を預けている
・重心線に対して身体のパーツが散らばるため重力負荷が大きい
・腹圧が高まらずにコアユニットが機能しない

2.重力の影響を少なくする戦略
垂直方向へ伸びる姿勢をとり重力ストレスを受け流す
・重心線に対して身体の各パーツが垂直方向に並んでいる
・感覚情報の変化に対して細かな姿勢調整を持続的に行っている
・身体の深部のインナーマッスルやコアユニットがセンサーとして働いている

3.アプローチの方向性
基本的な考え方:痛みと機能性の関係について 脳の中の身体地図と運動について
・交感神経の過剰状態なので、意識的に副交感神経を活性化していく方向へ導いていく
・感覚入力を通じて、脳の中の身体地図を“今”にアップデートして、古い情報を上書きする
具体的には以下の流れを意識する
〇セラピスト自身が意識的に副交感神経を高め、本来の自律神経のリズムに還る(呼吸や手の感覚を意識)
〇そのモードの中でクライアントと交流し感覚を共有する(共鳴現象)
〇日常的なセルフケアを伝え、副交感神経を活性化することを習慣化してもらう(自立を促す)
〇変化する身体を相手自身が感じられるように働きかける(タッチ・感覚入力)
〇これまでの積み重ねによる偏りを施術で解いていく(タッチ・感覚入力)
〇仰向けの姿勢で副交感神経を高めていく調整
〈交感神経優位の仰向け姿勢の特徴〉

・アウターマッスルの緊張から腰背部が反ってしまい背中と床面の接地が少なくなっている
・接地してる背部も筋肉が緊張し膨隆しているため、固くなった筋肉の先端でしか床と接地できていない
・安定感を得るために後頭部や踵を床に押し付けて身体を固定しようとする
・腰部の前弯が強く骨盤が前に傾く前傾位となっている
☆接地面積と姿勢筋緊張との関係(脳の戦略)☆
身体が外界と触れている面積が狭い⇒身体を安定するのに緊張をキープするため緊張が高い状態
身体が外界と触れている面積が広い⇒すでに安定が得られているので緊張をゆるめる方向へ
〈アプローチにおけるスタート姿勢〉

・膝を立てることで骨盤の前傾および背中の反りを軽くする
・頭部の下に適度な高さのタオルをいれる(頚部の下にも触れる感じで)
・緊張が強い場合は身体の縁にタオルを触れさせ感覚を入れていく(ここも触れてるよと脳に語りかける感覚で)
・膝同士が触れないように、股関節-膝関節-足部のラインは真っすぐに
強く反ったブリッジ状の背中から、丸い船底上の背中にしていくように調整。
〇腰背部に感覚を入れていくアプローチ
セラピストは相手の膝側に位置し、胸の後ろあたりから手を背部に入れて、臀部にかけて抜いていく。(手が遠くまで届かない場合は、腰部から手を入れる)浮いているところ圧が強いところなど感じながら繰り返し行い、圧の変化を感じていく。次第に、浮いていたところが床に触れ、圧が強かった個所の圧が弱くなっていくことを確認していく。
〇骨盤の後傾を促していくアプローチ
先ほどのアプローチで骨盤の圧が強いところに手を入れ、骨盤の重さが手に乗るのを感じる。手が骨盤と床に挟まる感覚が生まれたら、ゆっくりと体を起こし、それにつられて手が軽く引っ張られる感じを味わいながらその感覚をキープする。次第に骨盤後面の組織が緩み、過度な前傾位から後傾方向に戻っていく。
背部の緊張が緩んでくると接地面が広がり、全体的な筋緊張がゆるみ、呼吸が深くなる傾向になる。
副交感神経の作用により眠気がきたり、消化活動によりお腹が鳴るなどの反応がみられるが、気にする必要がないことを伝える(我慢や緊張は本来の状態に還る妨げになる)。
背中側の調整をしたらお腹側の調整へ
まずは腸腰筋の解剖を知り触れることに慣れていきましょう。
〇腸腰筋に触れ活動を促す
多くのケースで腸腰筋は働きを失い、固く緊張しているか、ゆるゆるに弛緩しているかのどちらかになっている。どちらにせよ、改めて触れることで感覚情報が脳にあがることで、脳からの調整の指令が下りてくる。調整は脳に任せ、セラピストは触れることを通じて感覚情報を与えることに集中する。
鼠径靭帯を確認し、その中央あたりから背骨の横突起を目指して指を入れていく。ゆっくり入れていくと触れる、縦に走る固い筋組織が腸腰筋(大腰筋)である。緊張が高く固い場合は感覚が過敏になっていて、痛みを感じやすいので、軽く表面を触れるような感じで触る。1分もしない内に最初のような痛みはなくなり、筋肉も柔らかい感じへ変化する。これは揉みほぐしたわけではなく、脳が腸腰筋の存在を確認し緊張を調整したことによる変化である。横隔膜のあたりまで続くので可能な限り触れて調整する。かなりの割合で腰痛の症状が軽減するといった側面もある。

足部の治療
足部の重要性
足の裏からの感覚入力
足の裏は、立っている時・椅子に座っている時は常に地面と触れている部分であり、そこからの感覚が適切に入力されることで、姿勢や筋肉の緊張の調整がスムーズに処理されることになる。
足の裏の感覚入力 拇指球-小指球-踵
小指外転筋の触察・リリース
足関節の背屈をきっちり出す
〇セラピスト自身の身体感覚と意識を調える
〇コアの活動を保つことで手を脱力させセンサーとして使う
〇感覚を深める体験をする
ポールのケア2日に1回
夜に明かりを消して30分過ごす できれば連続した3日間
オンラインサロンのセルフケアをチェック
〇セラピストの意識状態や身体の使い方が相手に伝わる
正しい姿勢・運動は存在しない
パターン化されていくことで問題が生じる
動きのバリエーション多様性を作る
脊柱の動きを引き出す
衝撃吸収機能→エネルギー産生機能
身体の後面を伸ばす
恥骨と剣状突起の距離を縮める
背中に触れる
腸腰筋を起こす
脳や身体のシステムのこと
自律神経のこと
・交感神経と副交感神経はシーソーの関係
・交感神経
活動、緊張、思考、エネルギー消費、外向きの意識
・副交感神経
休息、緩む、感覚、エネルギー産生、内向きの意識
・現代社会は交感神経過剰
サバイバルモード、生きるか死ぬか、利害、損得
・感じることに意識を置くことでバランスを取りにいく
脳の性質を知る
・サバイバル、死を恐れる
生きる歓びなどの豊かさは考慮しない
変化を拒否する(記憶も書き換える)
繰り返し伝え大丈夫を理解させる
・感覚を通じて世界を捉えている
・極端な省エネ
必要ないところのエネルギーはカット
感覚情報がない→無い(存在を認識しない)
脳と身体の関係
・【入力】刺激が入る→感覚受容器のスイッチオン→末梢神経→脊髄→脳(情報をキャッチ・脳内マップをアップデート・新たなプログラム作成)
【出力】プログラムを指令として出力→脊髄→末梢神経→筋活動(姿勢調整・運動)
感覚受容器は
皮膚・筋膜・筋繊維などにあり、適度な緊張
・感覚を通じて世界を捉えている
感覚情報がある→脳内地図に反映
感覚情報がない→無い(存在を認識しない)
・物理的な肉体と脳内地図のギャップ
・感覚が受け取れる状況かどうか?
重力と身体
・重力に対する戦略
重力に対して真っすぐ伸びているか?
曲がりながら耐えているか?
固い組織にもたれていないか?
感覚情報とコアや深部の起立筋の関係性
・骨に対して皮膚、筋膜、筋肉が下がる
身体を包む膜に歪み引っ張り合う
触れてる面の広さと身体の緊張の関係
・接触面が狭い→緊張が高い
・接触面が広い→緊張が低い
アプローチについて✋
実際に解説しながらの施術を受けてもらう
セルフケアも伝えられるようにする
実践と体感→理論と背景を説明
ベースとなるイメージ
・アクティブな活動を導く
本人が自分で動ける状態へ
完全にこちらが動かすと活動の機会を奪ってしまう
自動介助→自動運動へ導く流れ
動かそうとせず感覚で繋がり一緒に動く
・感覚情報の変化が運動として現れる
感覚情報→脳でキャッチ→運動プログラムを作る→筋肉を動かす
運動を導くことは感覚情報を伝えること
・感覚情報を入れることが大切
情報を送りながらゆっくり反応を待つ
脳に浸透→身体の調整→新たな感覚
タッチの仕方
・自分自身がリラックスしている状態
身体の中心が安定し手先が弛んでいる
手は感覚器官として使う
背骨のセルフケア
・掌が全体的に密着している
相手とピタッと一体化している
下から支えて抗重力活動を妨げない
・一体化した状態で自らが動く
動く感覚そのものを伝える感覚
動かす側、動かされる側になると他動的になる
・揺らす刺激
・軽い刺激で回数を増やす
感覚を使って自らを探索する
・座って坐骨を感じたり座面を感じる
今感じている際まで感じながら探索
少しずつその際を拡げていく感じ
身体がパターン化していく方向性をしる
・腰背部の緊張から大腿の外転外旋パターン
大殿筋と腸脛靭帯のライン
膝蓋骨のポジション
下腿部の外旋方向への捻じれ
足の底屈内反方向への偏り
〈アプローチ〉
触れることで元のポジションへ還す
・いわゆる反り腰と骨盤の前傾(股関節屈曲位)
腰背部の過緊張⇔腹横筋・腸腰筋の不活性
骨盤に対して常に股関節が屈曲している状態
〈アプローチ〉
腰背部に手を入れて骨盤まで引く(感覚入力・軟部組織調整)
臀部の組織を下方へ還す
腸腰筋に触れ感覚をいれ骨盤後傾へ
腸腰筋とハムストリングス(座骨部)働きで股関節伸展へ
☆座学的なところはビデオ講座にして自由に観てもらう
☆対面ではアウトラインや深堀、興味をもったところについて話す
☆実践は対面のみで撮影等は自由
補足
〇物質と非物質の境はあるのか?
物質の化学的性質を失わない範囲で、物質を分割しうる最小単位である分子。
その分子を構成する原子。原子を構成する原子核や電子。。。
私たちが“物質”と認識するものを細かく見ていくと、そこには“空間”が存在している。

【図解】原子・原子核の大きさ 身近なものと比較 | 図解ブースター (booster-fig.com)
そう捉えると全てのものに実体はないとも言えるし、実体があるという意識が実体を生み出しているとも言える。
物質と非物質の間に境は無く、感じ方のグラデーションの変化があるのみ。
〇“わたし”と“あなた”の間に境界線はあるのか?
触れる とは皮膚と皮膚の接触のことを指すのか。
接触の前に感じる、何かに触れている感覚は何に触れているのか。
相手を認識している時点で、すでに何かに触れ交流している状態といえるのではないか。
〇全ては“今ここ”における体験である
わたし達は空間を移動しているのか?
わたし達は時間軸に従って過去から未来に進んでいるのか?
確かなのは“今ここ(0ポイント)” で体験をしているということ。
この世界を観じているわたしの視点がただあるだけとも言える。
例えば
水を飲みたくなり水道でコップに水を注いで飲む
という行動をイメージしてみる。
(動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか より引用)
生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである。
だから、私たちの身体は分子的な実体としては、数カ月前の自分とはまったく別物になっている。分子は環境からやって来て、一時、よどみとして私たちを作り出し、次の瞬間にはまた環境へと解き放たれていく。
つまり、環境は常に私たちの身体の中を通り抜けている。いや「通り抜ける」という表現も正確ではない。なぜなら、そこには分子が「通り過ぎる」べき容れ物あったわけではなく、ここで容れ物と呼んでいる私たちの身体自体も「通り過ぎつつある」分子が、一時的に形作っているにすぎないからである。
つまり、そこにあるのは、流れそのものでしかない。その流れの中で、私たちの身体は変わりつつ、かろうじて一定の状態を保っている。その流れ自体が「生きている」ということなのである。シェーンハイマーは、この生命の特異的なありように「動的な平衡」という素敵な名前をつけた。
ここで私たちは改めて「生命とは何か?」という問いに答えることができる。「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」という回答である。
そして、ここにはもう一つの重要な啓示がある。それは可変的でサスティナブルと特徴とする生命というシステムは、その物質的構造基盤、つまり構成分子そのものに依存しているのではなく、その流れがもたらす「効果」であるということだ。生命現象とは構造ではなく「効果」なのである。
サスティナブルであることを考えるとき、これは多くのことを示唆してくれる。サスティナブルなものは常に動いている。その動きは「流れ」、もしくは環境との大循環の輪の中にある。サスティナブルは流れながらも、環境との間に一定の平衡状態を保っている。一輪車に乗ってバランスを保つときのように、むしろ小刻みに動いているからこそ、平衡を維持できるのだ。サスティナブルは、動きながら常に分解と再生を繰り返し、自分を作り替えている。それゆえに環境の変化に適応でき、また自分の傷を癒すことができる。
このように考えると、サスティナブルであることとは、何かを物質的・制度的に保存したり、死守したりすることではないのがおのずと知れる。
サスティナブルなものは、一見、不変のように見えて、実は常に動きながら平衡を保ち、かつわずかながら変化し続けている。その軌跡と運動のあり方を、ずっと後になって「進化」と呼べることに、私たちは気づくのだ。


